「ピル」って聞いたことあるけど、一体どんな薬?の疑問にお答えします。
日本では、一般的に「生理に関わる女性ホルモンを含む薬」をまとめて「ピル」と言う言葉が用いられています。「低用量ピル」「アフターピル」とか言いますよね。ピルについて疑問を持ちつつ、なんとなく知る機会もなかったという方は、この記事では「低用量ピル」について簡単にまとめてみたので、是非ご覧ください。
1.低用量ピルって、そもそもどんな薬なの?
低用量ピルは、女性ホルモンを含み、服用することで妊娠している状態と脳に勘違いさせて、卵巣からの排卵を止める薬です。医師の処方が必要な内服薬です。
2.低用量ピルは、どんな時に飲むの?
低用量ピルを服用することで、「生理トラブルの改善」「月経移動」「避妊」をすることができます。
生理トラブルの改善
生理の3~10日前におきるカラダや気持ちの不調 (月経前症候群:PMS)の改善、生理が不規則になる生理不順、生理痛に効果があります。生理痛の訴えがある場合のみ、保険適用になります。「これは病院にかかった方が良いのかな…?」など、気になることがある方は、こちらの記事「生理トラブル!産婦人科受診が必要なサインは?」をチェックしてください!
月経移動
試験日、試合日、旅行など、大切な日に生理が当たらないように、生理周期をコントロールすることができます。月経移動をしたい場合の、ピルの飲み方、生理周期を早める方法、遅くする方法については、こちらの記事「試合日、受験日、旅行に備える!ピルを使った「月経移動」で快適に。」に詳細があるので、是非チェックしてください!
※月経移動の場合は「低用量ピル」だけでなく「中用量ピル」を用いられることが多いです。
避妊
日本では、避妊といえばコンドームというイメージが強いですが、女性が主体的に避妊をできる手段として「低用量ピル」があります。コンドームを使っていても、一般的な使い方では15%程度妊娠の可能性があります。正しく低用量ピルを飲んでれいれば、ほぼ100%の確率で避妊できると言われています。確実に避妊するためには、ピルの内服が効果的です。ただし、ピル服用だけだと、性感染症の予防はできませんので、ピルを飲んでいていもコンドームは使うようにしてくださいね。
避妊について詳しくはこちら:「HUMAN+女と男のディクショナリー」確実な避妊法を教えて!
※コンドームの利用は、正しい利用方法をすれば2〜3%の失敗率となりますが、正しく利用されていないことも多く、その場合は15%程度の妊娠の可能性があります。
保険診療)
生理痛がある場合、医師の判断で保険証を使った保険診療で処方してもらうことができます。保険診療の場合、1シート(21〜28日分)あたり1,000~2,000円程度で処方を受けることが可能です。もし、生理痛がなくて生理不順やPMSの場合のみの場合は保険適用にはなりません。
自費診療)
生理不順・PMS・月経移動・避妊の場合は、自費診療となりますので保険証は不要です。1シート(21〜28日分)あたり2,500~3,000円程度となりますが、医療機関によって金額が異なります。
※上記金額はお薬代の目安ですので、その他に診察料、検査費用などもかかります。(自費診療の場合は、検査費等も自費での負担になります。)実際の費用に関しては、医療機関に確認してみてください。
3.低用量ピルの副作用は?
やっぱり副作用は心配だなぁ。副作用についても是非知りたい!
血栓
血液の中に血の塊ができ、血管が詰まる(血栓症)リスクが高まることが知られています。血栓症はごく稀な副作用ではありますが、喫煙者ではリスクが上がる等、特に注意が必要な場合もあります。安心して使えるお薬ですが、定期的な受診・検査の上使うようにしてください。
吐き気、頭痛、むくみ等
ピルを服用し始めて最初の1~3ヵ月は、吐き気や頭痛、むくみ、乳房の張りなどの副作用がでることがあります。飲み続けているうちに、症状は自然に治ることがほとんどです。副作用には個人差があるので、気になる場合は、無理をせず医師に相談してください。
4. 低用量ピルはどの様に飲む薬なの?
低用量ピルの飲み方の特徴は、「毎日、ほぼ決まった時間に飲む」薬ということです。
低用量ピルは生理周期を28日で1つのサイクル(28日周期)と考えて開発されたお薬です。低用量ピルの種類によって飲み方が違うのですが、(商品によりますが)21錠〜28錠が1つのシートにまとめられています。飲み方の詳細は、実際に使う薬により異なるため、医師・薬剤師に確認してみてください。
ほぼ決まった時間に服用するために、みなさん工夫していますね!
毎日寝る前の歯磨きの後に服用するとか、ランチタイムに服用するとか、だいたい同じ時間に飲めるように生活習慣の中に加えていくといいですね!洗面台やカバンの中など、いつも置き場所を決めておくのもおすすめです。旅行の時など、生活スタイルが変わる時は、飲み忘れしやすいので、注意が必要です。
5. ピルにまつわるQ&Aコーナー
ピルを活用して、毎日を快適に過ごしていきたいですね。
今日のお話はここまで〜。また、生理の話、避妊の話など、解説記事を作っていくので楽しみにしていてください!
※注:生理と月経は同じ意味をもつ言葉です。本記事には、文脈に応じて生理と月経の2種類の表現が登場します。
ピルって英語表記だと”pill”だけど、英語だと、錠剤のお薬全般の意味をする単語なんだよ。なので「ピル」で女性ホルモンのお薬のみをさすのは、実は和製英語だね!
参考)英語辞書weblio「pill」のページ